お久しぶりです。昨年来体調が思わしくなく、普段の仕事以外のことができていませんでした。年齢を考えて、そろそろ仕事をまとめる時期に入ってきたと思っていますので、周りの人たちにお願いして、体制を一新してあらたな気持ちでスパートをかけようと思っています。
このサイトですが、7月いっぱいで移設します。現在、新しいサイトを構築中でドメインも変わります。このサイト自体はしばらく残しておきますが、移行できるようになったらご案内させていただきます。
Project «Studia omnibus violinarum»始動
まだまだやりかけの他の仕事もあるのですが、これまでの研究成果をまとめるプロジェクトを始めました。これまで数十回の講座や『ストリング』『サラサーテ』の連載、そしてコンサートや発表会のプログラムなどの執筆済みのものがベースになりますが、ほとんどが書き下ろしになります。そしてパソコンで「カルテ」(各生徒の記録)つけるようになってから20年以上たって、溜まった症例研究などを応用した、これまでにないまとめにします。現時点では6つの大きなテーマにわけて、10年がかりで資料を作成して残すことを目標にしています。ヴァイオリンの指導者や身体の専門家など、10名ほどで先月からスタートしています。最終的は発表形態はまだ未定ですが、動画などの動的コンテンツが必要になるので、書籍だけで発表することはないと思います。
現在は第1弾「ヴァイオリンを弾くための身体作り・・運動能力の高め方と効率のよい身体能力の使い方」を作業中です。これは2012年に出版した「ヴァイオリンを弾くための身体の作り方、使い方」の単なる続編ではなく、ヴァイオリンを弾くための身体の問題を網羅したものになる予定です。また、さまざまな奏法を身体の使い方の観点から見直す内容も含まれています。これまでの第1弾はほぼ1年がかりになると思いますが、強力な協力者がたくさん集まりましたので、作業を進めていけると思っています。
「クレモナガイド」の作業が止まっていますが・・・
僕にとってはある意味でひとつのライフワークであるクレモナのガイドブックを書こうと思いたったのが2017年でした。その後、現地のカメラマンやジャーナリストの取材、100人に及ぶ製作家の取材などを進めて、当初の予定から半年遅れの2020年春に出版する予定でした。しかし、コロナのパンデミックで作業が完全に止まり、2023年春にようやく再始動しました。しかしこの3年間でさまざまな情勢が変化してしまいました。クレモナの状況や音楽事情もコロナ前と後とでは様変わりしてしまい。再度取材を重ねましたが全面的な書き換えを余儀無くされました。それでも作業を続けましたが、決定的な情勢の変化がおこりました。それは「紙媒体の低迷」と「ガイドブックの不振」です。現在はネットでさまざまな情報が得られるので、特にガイドブック系のものは紙媒体として次第に通用しなくなっています。
現在はどのような形がありうるのか、プロジェクトの中に取り込むのかも含めて検討中です。9月までには最終的な結論を出そうと思っています。またクラウド・ファンディングで集めたお金は、結論が出次第、返金するかを選択していただこうと思っています。もうしばらくお待ちください。
8月10日から公開講座「身体の使い方総まとめ」がスタートします
上記のプロジェクトに関連して、身体の使い方についての公開講座をスタートさせます。「身体の作り方、使い方」に書いた内容はかいつまんで理解していただいた上で、基本的な身体の動き方、使い方や脳と運動の働きなどの総論と楽器の保持、ボウイングの考え方から各種の奏法まで幅広く取り上げる予定です。講師は私が務めますが、アシスタントに現役のヴァイオリン教師や身体の専門家など5、6名が参加して、内容の濃いものにする予定です。申し込みを受け付けますので、このサイトのメールフォームか私宛のメールで申し込みください。
第1回 2025年8月10日(日)13時から17時半 秋葉原の「スタジオ五軒町」
第2回 2025年10月13日(月祝)13時から17時半 会場未定
参加費 10000円 聴講のみ 6000円(支払い方法は原則銀行振込)
申し込み・連絡先 柏木真樹 maki@music.nifty.jp
『サラサーテ』の連載を続けています
7月1日発売の『サラサーテ』第125号は、「ヴァイオリン修得術革命」の「楽しくヴァイオリンを弾いて上達しよう」の最終回です。6回の連載では「見方が変わった」などの意見をいただきました。今回で一旦「楽しく」はお休みして、「身体の使い方についての目鱗シリーズ」(タイトル未定)を3回ほど書かせていただく予定です。