柏木真樹 音楽スタジオ

トップページ > アンサンブル講座 > lesson 1-5「スケールの音程」

前回、旋律と和音で、なぜ、どのように音程が違うのか、という仕組みの基礎を書きました。今回は、これを使って、「正しいスケールの音程とは何か」ということを述べます。

まず、下の表を見てください。右の三つの数値は、主音からどれだけ離れているか、ということを、オクターブの間を1200でとった対数値で示したもの(セント、と呼びます)です。和声の時に気持ちよく聞こえる幅、平均律、旋律の時に気持ちよく聞こえる幅、の順で記述してあります。

音階上の音 主音(ドレミのド) ファ
和声の時 0 182ないし204 386 498 702 884 1088 1200
平均律 0 200 400 500 700 900 1100 1200
旋律(音階)の時 0 204 408 498 702 906 1110 1200

平均律は、よく調律されたピアノの音だと考えてください。ドに対して、ファやソは比較的差が少ないことがわかると思いますが、絶望的に差があるのが、ミとシですね。

旋律の時、というのは、旋律を弾いているときの動きで、ある間隔の音が出てきたときに正しい幅、ということです。(ですから、表記としては、上の「ド・レ・ミ・・・」というのは正しくなく、それぞれ「長2度・長3度」などとするのが正しいです。ただ、まだ楽典用語がわからない人のために、このように表記しました。)基本的に、この旋律的な音の幅を音階に用います。

すると、レ・ミ・ラ・シが平均律より高いことがわかりますね。特に半音の前の「ミ・シ」は、「とても高い」音になります。ですから、その次の音との間隔はとても狭く、注意が必要です。

何気なく音階を弾くと、前述のように、「レ・ミ・ラ・シが低く」「ファ・ドが高く」なりがちです。このことをよく認識して音階の練習をするように心がけてください。