柏木真樹 音楽スタジオ

トップページ > 著書 > ヴァイオリンを弾くための体の作り方・使い方 〜基礎編

身体を傷めてヴァイオリンを弾くことができなくなった時、自分にとっての大きな部分が失われたように感じたものです。それ以来、毎年冬になるとやってくる左手の痺れに悩まされながら、アマチュア奏者として何とか楽器を弾いていました。しかし、ヴァイオリンを本格的に教えるようになって、自分の体の使い方を根本的に見直してみると、さまざまな発見があったのです。若い頃の無理がたたって、20代後半にはぎっくり腰が年中行事だったのですが、姿勢や歩き方等、根本的な体の使い方を見直すことで、30代後半からは腰痛にも悩まなくなりました。腱鞘炎の後遺症は今でも残っているのですが、楽器を弾くこと自体は、若い頃よりずっと楽になったと感じています。

この本は、こうした私の経験と、これまで指導して来た多くの生徒さんの事例を元に、すべての方が身体に無理をかけることなく楽器が弾けるように、と願いながら執筆しました。最初は、いわゆる「レイトスターター」(大人になって始めた人/実は本来の意味ではありません)ばかりでしたが、連載や口コミで、身体を傷めたり体のことで悩んだりしているベテランや音楽学生、プロの方なども見えられるようになりました。身体の使い方に悩んでいるのは、アマチュアだけではないのです。

そうした経験から、できるだけ多くのみなさんに「楽に弾く」ことを覚えていただきたいと思い、この本の執筆を始めました。医学的な問題点を筑波大学の坂根正孝先生にたくさん指摘していただき、私の理解も進んだと思っています。是非、ご一読下さい。

ヴァイオリンを弾くための体の作り方・使い方 〜基礎編 柏木真樹 著

 

体に無理をせずヴァイオリンを弾くための指南本! 写真やイラスト図解も豊富です!

  • [ 定価 ]  3,000円(+消費税)
  • [ 発行元 ] せきれい社
  • [ 発売日 ] 2012年11月

 

上野学園大学の音楽学部長、緒方恵先生(全音の楽譜の校訂でみなさんにはおなじみかと思います)にいただいた推薦文をご紹介いたします。

からだの痛みに悩むヴァイオリン奏者必見! 「できる限り長い期間楽器を弾いていたい、思い通りに演奏したい。」そのためには体に無理のない弾き方をしておかなければなりません。体の故障を抱えていると表現もマイナスになり、不自然な状態で演奏していると音楽の本質までも崩れてしまいます。この本は、ヴァイオリンを「自分にベストな状態」で弾くために、「体の動きを分解し、意識下においたうえで再構築する」といった内容となっています。柏木先生が編み出された具体的なトレーニング法は、実に理にかなったものです。最後には、痛みの部位別の対処法まで書かれています。「力を抜く」とはこういうことだったのか!!読み終わったあとクリアになります。 プロ、アマ問わず、全てのヴァイオリン奏者、指導者に是非とも読んでいただきたい一冊です。

緒方恵 ヴァイオリニスト・上野学園大学教授

 

本書の簡単な概要

 

本書は、身体の構造と運動の仕組みを簡単に理解することで、ヴァイオリンを弾くためのさまざまな身体の使い方を「手に入れる」ことを目的として書かれています。以下に、大まかな内容を説明します。

 

第1部 身体が動く仕組みと運動の基本を理解しよう

  • (1)身体が動く時に何が起こっているかを知る
  • (2)身体が動く時に運動はどのように組み立てられているのだろうか
  • (3)脱力を正しく理解しよう

第1部では、人間が「動く」仕組みを解説し、身体の動きをコントロールするための正しい「脱力法」を解説してあります。人間がある動作をする時に何が起こっているかを知ることは、相応しい動きを作るために不可欠なことです。しかし、何が起こっているかを理解するのはとても難しいのです。その難しさの原因を探り、運動の組み立て方を理解していただきます。さらに、身体を動かすときの最大の障害である「無駄な力」「無意識に入ってしまう力」を取り去るための必要なことをまとめてあります。

 

第2部 ヴァイオリンを弾くときの身体の運動を理解しよう/実践編

  • (1)上半身の動きを理解して快適に楽器を保持できる身体を得る
  • (2)弓を使う右手の運動を解剖する
  • (3)左手の運動を順序よく理解しよう

第2部では、第1部で説明した運動の原理を基本にして、さまざまなヴァイオリンを弾くときの運動を取り上げて解説してあります。中では、大きく3章に分け、身体の使い方を解説してあります。楽器を保持するために身体をどのように使うか、右手の運動の大原則、見過ごされがちな左手の大きな運動、そして起こしやすい間違いなど、具体的な例を取り上げて理解していただきます。

 

第3部 ヴァイオリンを弾くための身体作り/トレーニング編

  • (1)身体全体の働きを正しく保つ
  • (2)基本的な運動を正しく行なうために必要な「イメージ作り」

ヴァイオリンを弾くことだけが身体を使うことではありません。体全体をヴァイオリンを快適に弾くことができるように作り直し、それを維持するにはどうしたらよいか、という視点から、日常生活で注意すること等も含め、「身体作り」を解説してあります。

 

第4部 身体の故障とその対策

  • (1)身体を傷めないために考えるべきこと
  • (2)部位別、典型的な身体のトラブルとその対策

典型的なトラブルを取り上げ、簡単な対処法を示してあります。

書籍のご注文

全国の楽器屋、書店でお求めいただけますが、スタジオでも注文を受け付けます。定価(3,150円税込み)で送料無料です。ご利用下さい。

  • ・お名前
  • ・メールアドレス
  • ・ご住所/電話番号
  • ・ご注文部数
  • ・その他ご意見・ご質問

以上を明記の上メールフォームからご注文下さい。ご確認のメール後、発送いたします。