久しぶりの更新になります。
実は心身ともに不調で、何とか日々のレッスンはこなしているものの、これからのことをあれこれと考えていた数ヶ月間でした。なかでもこの状況でオリンピック・パラリンピックを開催するという暴挙に出た菅首相率いる政府与党のやりように、絶望感しかありませんでした。
そもそもコロナ禍が始まった当初、パチンコ屋や接待を伴う飲食店が盛大にバッシングを受けた時に、自分の仕事が果たして世の中にとって必要なものであるかに疑問を持ってしまったのが不調のきっかけでした。「不要不急」という言葉が大手を振って広がりましたが、私の仕事のほとんどは「不要不急」のものだと考えることもできるのです。スポーツにしても「不要不急」という点では同じだと思いますが、興味を持つ人が多いこととそれによって動く経済のスケールが音楽(特にクラシック音楽)とは全く違うために、「スポーツは別格」という雰囲気が作られてきました。結果としてオリンピックが行われてしまったのですが、報道を見ていて暗澹たる気持ちになることから逃れられませんでした。
5月5日に(奇跡的に)発表会を開催することができたのですが、「こんな時期に発表会なんかやるのか」という非難を受けたり、避難を受けた生徒がいたりしました。それでも私(や私の大切な生徒たち)が受けた被害は、言われなき(エビデンスなき)自粛を求められるイベント、ライブハウスやもはやスケープゴートと化してしまった飲食関係の人たちのダメージに比べれば微々たるものです。ですが、だからこそ自分を安全なところにおいて「高みの見物」をしていることに(自分自身に対して)吐き気がしてきたのです。
実は6月以来Twitterも更新していません。それにはいくつか理由があります。
このサイトやツイッターには音楽のことのみを書いてきました。そもそも最初に音楽のホームページ(当時はサイトと呼ばずにホームページと呼んでいました)を開設した時に、「音楽以外のこと、特に政治のことは書かない方がいい。音楽のことを期待してる読者が離れるよ」と何人にも言われてそのアドヴァイスを守ってきたのです。しかし、自分の精神状況を考えてその「禁」を破ることにしました。先月、Facebookに「音楽家が政治的な発言をすることを良しとしない日本の雰囲気はおかしい」という趣旨の記事を見て少し元気になったこともありますが、それは「日本人らしさ」との訣別でもあるかもしれません。
今回は、ブログにオリンピックと政治のことを書きました。トップページにはこうした「政治よりのこと」を書くのはおそらくこれが最後だとは思いますが(そう願いたい)、ブログには少しずつ思いの丈を綴っていこうと思います。
●現状のレッスンについて
緊急事態宣言の繰り返しで落ち着かないのですが、スタジオでのレッスンや名古屋、大阪でのレッスンは平常通り行っています。
・駒込のスタジオでのレッスンは午前9時から22時まで行っています
・対面レッスンだけでなくオンラインでのレッスンも行っています。レッスンの予約は対面レッスンと同様です。使用アプリはDiscordかZOOMです
・講座はしばらくの間見合わせます。再開する時にはお知らせします
・お休みの生徒がいますので、レッスンの時間には若干余裕があります。興味がある方はお問い合わせください
●サラサーテの連載について
サラサーテ誌では、100号から「身体の使い方の達人への道」と題して、私が一旦ヴァイオリンを諦めてからリハビリをして現在に至るまでの経過を簡単にまとめています。身体の使い方に悩んでいる方には参考になると思いますので、是非ご一読ください。
●「弦楽器愛好家のためのクレモナ徹底ガイド」について
大きな書き直しが必要になったために発行が遅れています。イタリアへの渡航ができる(現状では戻ってくる時に隔離期間がある)ようになったら速やかにクレモナに行って作業をスタートします。しばらくお待ちください。
●アズール弦楽合奏団第12回演奏会(日程が変更になりました)
日時:2021年12月11日(日) 18時開演(予定)
場所:本所地域プラザ多目的ホール
曲目:テレマン:弦楽組曲「ドン・キホーテ」
ハイドン:ヴァイオリン協奏曲ト長調
ヤナーチェク:弦楽合奏のための「牧歌」 他