[こちらにある文章群は、2003年から05年にかけて書かれたものです。内容的に問題があるものは概ね書き直してありますが、内容的にはやや古く、付け加えるべきことも多いことをご了解ください。]
大人になってからヴァイオリンを始める人が増えています。レイトスターターのためのオフ会やアンサンブルもあちこちで開かれているようです。私が10年前にドレ会のトレーナーを始めた頃は、そんな集まりもどこにもなかったと思います。インターネットの普及で、志を同じくする人たちが集うことがとても楽になりました。その結果だろうと思います。
さて、最近特に、インターネット上の情報の「悲惨さ」を思い知らされています。基本的にネットは「書いたもの勝ち」なので、責任を負わない「むちゃくちゃな」内容がとても多いのです。元から現状のヴァイオリン教育に色々と不満を持っていましたので、この際ですから私の経験と見解を書きつづってみようと思います。もちろん、これは私の私見ですので、全く異なる意見を持った方もたくさんいらっしゃいます。そのこと自体を否定するわけではありません。最終的にどのくらいのボリュームになるのか見当も付かないのですが、「大人になって始める楽器」のヴァイオリンヴァージョンという位置づけで書いていきます。もちろん、ヴァイオリン以外の弦楽器の人にも役に立つ部分は多いと思いますので、お読み下さい。なお、内容についての質問・疑問は、BBSでお願いします。
レイトスターターのためのヴァイオリンWEB講座
これは、これからヴァイオリンを始めようとしている、ないし始めて間もない方々を主なターゲットに書かれている文章群です。ヴァイオリンを演奏することの楽しさ・厳しさ、そしてどのようなことを考えてヴァイオリンを練習するべきだろうか、ということの、現時点での私なりの結論といっていいかもしれません。レイトスターターが「当たり前」になればなるほど、その中からいろいろな人たちが出てくるはずです。レイトスターターをお付き合いしてきた10年間、私は敢えて「レイトスターターに低い限界を設けない」で接してきました。そのために、もちろん私のやり方が「厳しすぎる」と感じた人も多かったようです。しかし、初めから目標を下げていたのでは、せっかく伸びるはずのものすぐに限界に達してしまいます。そういうレイトスターターをたくさん見てきたので、敢えてこのような文章を書くことにしたのです。
誤解されないように申し上げておきます。この文章群は「これを読めばヴァイオリンが弾けるようになる」という性質のものではありません。私はあくまで「レッスンにつくべきだ」と考えていますので、それが前提になっている部分が多いです。もちろん、楽器の持ち方、ボウイングの仕組みなどの話もありますが、あくまで「レッスンという場でフィードバックできる」ことを前提にして下さい。仮に独習者の方がお読みになるようでしたら、独習される教材の「検証材料」として利用していただければ幸いです。