最近相談にこられた方の「こわーい」話です。この方はまだ二十代前半。仮にNさんとしておきます。
ヴァイオリンを始めて半年ほどの方ですが、部屋に入ってきたのを見ただけで、体が歪んでいることがわかる状態でした。腰を見てみると、案の定、骨盤が極端にずれていて、非常に硬くなっている状態でした。「骨盤をきちんとした方がいいですね」という話をして、すごい話になりました。Nさん自身、体のあちこちに良くない状態を感じていて、ある接骨医にかかっているというのです。その接骨医では、「腰の状態がとんでもなく悪いので、このままだと大変なことになる。通いなさい」と言われ、何と40回分、20万円を先払いしたというのです。話を聞いて、唖然としてしまいました。仮に、状態がとても悪くて時間がかかるにせよ、何回で終わるかなどはやってみなければわかるはずがありません。それに、今までの経験から言えば、この程度ならば「腰の名手(ある整体師なんですが、腰回りの名人です)」の手にかかれば一発だろうな、というイメージもありました。
結局、体を温め、股関節を弛めるストレッチや腰を楽にする運動などを組み合わせたことをやっていただくことにしました。すると・・三回ほどで完全に腰の状態は良くなったのです。普段の生活もずっと楽になり、肩こりも減って、体の状態が傍目から見ても変化しました。ついでに、O脚も改善しました。
問題は、その接骨医です。すでに7回治療を受けたということですが、全く状態は良くなっていなかったことがまず大問題。恐らく、きちんとやればすぐ直ってしまい、通ってもらえなくなるので、「劇的に良くならないように」コントロールしているのでしょう。そして脅し文句。
「残りは返してもらいなさい」と言ったのですが、結局5万円しか戻らなかったそうです。しかも、止めると言ったら「大変なことになるから通いなさい」とさんざん脅されたとか。まさに「霊感商法」のように「脅して払わせる」手法です。
さて、Nさんには、もう一つ「こわーい話」がありました。
調弦をしようとしたら、何やら「びりびり」という変な音がします。原因はすぐに判明しました。テールピースと顎当てが接触していたのです。「いつからですか?」というと、最初からだと言います。「先生は何も言わないの?」「特に・・・」「すぐ買った楽器屋に行って交換するか、削るか、してもらいなさい」「はい・・・」
Nさんは、某カルチャースクールのレッスンを半年ほど受けていました。先生はそのことに気がつかなかったというのです。それだけではありません。レッスンを辞めることを伝えに、最後のレッスンを受けにいった時に、先生に楽器の状態のことを告げたのだそうです。
MAKI「先生に言ってみた?」
Nさん「はい」
M「なんだって?」
N「『あなたにはこれで十分』ですって」
M「・・・」
どうやら、その楽器を選んだのは先生だったらしいのです。これには開いた口がふさがりませんでした。楽器屋はというと・・そういう楽器を売ってしまったという点では問題ですが、「当社のミスです」と言って、すぐに直してくれたそうです。その対応だけは評価できますが・・でも、やはりそんな状態の楽器を売ること自体で楽器屋失格だと思うのは私だけ????
というわけで、Nさんにとっては「こわーい」ことの連続で、2006年が幕を開けましたとさ。