柏木真樹 音楽スタジオ

トップページ > Blog > レッスン > リズムの取り方/拍を大きく感じることと、拍を感じる位置

本来は、ウェブ講座の方に書くべきでしょうね。後で改題して加えます。

きっかけは、カイザーの11番のエチュードでした。ご存じない方のために、簡単に説明します。Es-Durで、拍子は2/4で、八分音符を三連符に分割した形で、スケールと変形が延々続く、というしろもの。このエチュードを弾いてもらうと、どうしても「二連符」になってしまう人が多いのです。名古屋のレッスンでも、見事に二人ほど、はまりました。タタタ、タタタ、と続かずに、タカ、タカ、タカ、となってしまうのです。

これには、いくつかの原因がありますが、簡単にいうと、
1)運動が無意識に往復(ダウンとアップ)でワンセットになってしまうこと
2)カウントを偶数でとってしまうこと(これも無意識)
が直接的なものであり、
3)カウントを細かく取ってしまうこと、ないし、実際に弾く音符のリズムを
計ろうとしてしまうこと
が、本質的にリズムをとる(テンポを安定させる)ことができない人に共通の問題です。

三連符を「それらしく」するためには、いろいろな方法があります。誰もが思いつくのは、三連符の頭にアクセントを付けることでしょう。もちろん、カウントの方法を身につけるためには、無駄な練習ではありません。ただし、この練習をする時には、アクセントを重さを増やすことでつけてはダメです。弓の立ち上がりのスピードを速くすることでアクセントを得るようにしてください。重さを増やすことは、縦方向の力と反発の力を増やすことになり、正確な感触を得ることができないからです。人間がリズムを取る時には、様々なデータを利用しているのですが、手の感触も重要な要素です。この感覚を使いにくくするような方法は、あまりよくありません。

しかし、この方法で「それらしく」聞こえても、アクセントを取った瞬間にリズムが不明確になってしまうことがあります。問題の本質は、「登場した音符そのものでカウントしてしまうこと」にあります。それが、3)です。これは、付点が取れない人にも当てはまることが多いのです。

付点の練習をする時に、細かい音符を数えて弾こうとする人がいます。つまり、付点を「たたたと」と、四つに分割し、それにあわせて短い音を弾こうとするのです。この方法は、全く身に付かないといっても過言ではありません。

三連符にしても、付点にしても、基本的には「運動が始まった時に既に次の音符がどこにはまるかを、ないしは、ひとかたまりがどこに到達するかが決まっていること」が必要なのです。

じゃあ、どうするか、、、というはなしは、続きを近いうちに書くことにします。

[ 2006/06/10(土) 00:00 ] レッスン, ヴァイオリン, 体や頭のこと| コメント(0)
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