最近、あるアマチュアオーケストラのコンサートマスターからこんな話を聞きました。
「指揮者に、もっとザッツを出せ、と言われる。他のパートが出るのを間違えるのは、コンサートマスターがきちんと動いてみせないからだ、と言われたけど、コンサートマスターって、そんなにザッツを出すものなの?」
うーん、とうなってしまいました。アマチュア・プレーヤーならともかく、指揮者がそういうことを言うとは・・・
こういった勘違いは、アマチュアのベテラン奏者に多く見られます。「トップの仕事はザッツを出すこと」という誤解は、かなり広まっているのではないかと思います。(私が今までご一緒させていただいた指揮者で「これは凄い!」と思えた方が、勘違いをして大げさに動いていた若い頃の私に「指揮者は俺だぜ」と、にやっと笑われたことを思い出します。)
そうなんです。指揮者を見ていれば、入るところなどはわかるものなのです。それがわからないとしたら、指揮者が悪い(笑)もちろん、奏者が楽譜を見ていなければ論外ですが・・・
アンサンブルなどをしていると、「トップはザッツを出して、みんながそれに合わせるんですよね」という質問をよく受けます。答えはもちろん「違います!」
オーケストラにしてもアンサンブルにしても、アマチュアの方には、必要以上に体を動かしているリーダーが多いような気がします。きちんと、しっかり弾いて、自然に体が動いていればよいのです。もちろん、何かあった時には、きっちりとザッツを出すことが必要ですが、指揮者が優れていれば、それすらほとんど必要ありません。
リーダーは、堂々と弾いて、プレーヤーをリードすれば良いのです。