柏木真樹 音楽スタジオ

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28
Sep.
2011
2011/9/28 Wed. 21:42
Category:音楽的主張

30年以上に渡ってフランスで活躍してきたチェリストの津留崎直紀さんが、在籍するリヨン国立歌劇場管弦楽団を休団されて帰国されました。11月から12月にかけて、6回のリサイタルを開催されます。とにかく意欲的なプログラムで、短期間にこれだけの曲を弾かれることにびっくり。素晴らしいコンサートになることを、楽しみにしています。

その津留崎さんと、CONSONOのハイドンについてスタジオで1時間ほど打ち合わせをし、その後、近くのイタリアンで食事をご一緒させていただきました。とてももりあがり、楽しい一夜となりました。

ハイドンについては、私がイメージしていたものと大きな違いはなく、うまくいくのではないか、と思いました。音の動きを阻害するヴィブラートをかけないこと、弓のスピードの話、奏法など、スタジオのチェロを弾いていただいてあれこれと確認。テンポ設定がやや違った(2楽章が私のイメージよりやや遅かった)のですが、これは誤差といえるでしょう。

その後、お気に入りのイタリアンに移動してのお話は、とても面白く、あっという間に閉店時間になってしまいました。話題の中心は「モーツァルトはオペラ?」

HPにも書いたような気がするのですが・・・私は、モーツァルトのKV.400以降(特に450以降)の音楽は、すべてオペラに聞こえます。ヴァイオリンソナタにしても、まるで「これは器楽曲じゃありません!」とばかりに、モーツァルトのオペラのシーンがよみがえるような気がするのです。特に、アイネ・クライネ・ナハトムジークの最後など、モーツァルトお得意の重唱そのものと言えるでしょう。ですから、刻みを弾いていても、「小さく弾いてはいけない」と思っています。CONSONOで今やっている「ジュピター」もしかり。木管楽器にしばしば登場するロングトーンを「他のパートを邪魔しないように」弱くしては、せっかくの構造が見えなくなってしまうのです。

この点で、津留崎さんとは意見が一致しました。30年以上オペラハウスで演奏をしてきた方のイメージの説明は、とてもわかりやすく、説得力のあるものでした。一緒に音楽を創れることが、とても楽しみです。よろしくお願い致します。

[ 2011/09/28(水) 21:42 ] 音楽的主張| コメント(0)
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