柏木真樹 音楽スタジオ

トップページ > Blog > 体や頭のこと > 左腕の上腕部のねじれ
09
Mar.
2010
2010/3/9 Tue. 10:16

先日、ひょんなことから左手の上腕部の運動について認識を新たにしました。テーマは「上腕部のねじれ」です。これまで、私が講習会などで説明してきた左手の運動の作り方に、若干の修正をする必要が生じましたので、ここに書いておこうと思います。

問題は「楽器を構えた時の左上腕部のねじれがどのような場合に生じるか」ということと「ねじれが生じた場合にどのような影響があるのか」に分類され、「ねじれが左手の運動になんらかの悪影響を及ぼしている場合はその改善策」と「ねじれを取り去るために必要なトレーニングとその副作用」を見つけることが必要です。

10日ほど、レッスンで片端から生徒をチェックし、どのくらいの生徒がねじれを起こしているか、問題を生じているかを調査し、必要だと思われる「治験薬」を処方しています。サンプルはまだ20ほどですが、現時点ですでに明らかになったこともたくさんあります。

「左腕のねじれ」は、上腕と前腕が一体となって運動した時に起こりやすいものです。これは、以前から多くの指導者が問題視してきたことであり、私は「一応の解決策」を提示してきました。それが「左腕全体の動きをばらして理解して作る」方法です。

この動きは、「手を上げる」「前に出す」「回転させる」「肘を曲げる」「肘を回す」という5つの運動で作られているものです。「手を上げる」「前に出す」はひとつの運動と捉えることもできます。この順で左手を楽器を持つように構えると、左腕のねじれはほとんど取れる「はず」でした。ところが、問題が生じる例を発見したのです。

それは、「肘を外側に回転させる時に、ある程度まで回さないと肩周辺の筋肉が使えない」ケースがあることで判明しました。このような人に「肘を外側に回して」と指示すると、上腕部が「ねじれたように」見えます。上腕の骨は回転しているにもかかわらず、上腕上部の筋肉はほとんど動かず、肘に近づくにつれて回転運動が認められるようになるのです。これは、明らかに上腕の筋肉が「ねじれて」いることを示します。

腕をだらんと下げた状態では、こうした症状を呈する人は(今のところ)3割以下ですが、楽器を構えると少々事情が異なります。腕を下げて腕がきちんと回る人でも、楽器を持つと上腕をねじる人が少なくないのです。

このねじれを解消させると、左手にさまざまな変化が現れる人がかなり存在します。指が軽くなる、しっかり押さえられる、手首が楽になる、などの効果がハッキリしている例がすでに6例もありました。

運動の詳細や対処法は、もう少し時間をかけて検討しないとまとまらないとは思いますが、現時点では

・左手の大きな運動は、「手を上げる」「前に出す」「回転させる」「肘を曲げる」「肘を回す」という順序で作るのではなく、「肩を廻す」「腕を上げる/肘を曲げる」「肘を回す」という順序で作る方が腕のねじれを生じる可能性が低い

ということだけはハッキリしました。

みなさんもチェックしてみて下さい。

[ 2010/03/09(火) 10:16 ] 体や頭のこと| コメント(0)
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