柏木真樹 音楽スタジオ

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10
Nov.
2003
2003/11/10 Mon. 00:00

2003年の弦楽器フェアにでかけた。去年は行き損なっていたので、二年ぶりである。最終日ということもあってとても混雑していた。楽器をあれこれ見られる楽しみと新作の傾向を見たかったこと、それに今回は雑誌「サラサーテ」のブースがあるということで、半ば遊び、半ば仕事という意識だった。

会員の作品は、ほとんど全部弾いてみたのだが、今年は何故か「これいいなぁ」というものになかなか巡り会わない。出品されている作品の質の問題なのか、僕の要求が厳しくなったためなのかはわからないが・・・

そんな中で、気になることがいくつかあった。一つは、一部の出店している法人や会員の方たちのスタンスである。

あるブースでのこと。楽器の横に「楽器の取り扱いには十分注意してください」という紙が置いてあった。こんなことが書いてあったのは、このブースだけである。もちろん、粗忽者がいないとは限らないが、本来試奏してもらうために置かれているはずの楽器にこの注意書きは・・・と考えてしまった。このディーラーの姿勢をしめしていると感じたからだ。

このディーラーさん、他にも「あれ?」と思うことがあった。イタリア製のモダンを主に扱っているのだが、僕が試奏しようとすると、「ちょっと待って」と言って肩当てを付けることを要求したのである。いわく、「出来たてでまだニスが乾ききっていないから」ということである。もちろん、試奏する人の服が汚れることを心配しているのではない。ニスに傷がつくことを恐れているのだ(それは確認した)。非常に不思議な気がしたのは、肩当てのようなハードなものを付けるのは良いのか、ということである。

一緒に歩いてくれていたアマチュアの弦楽器制作者も、しきりに首を傾げていた。ニスが付いてしまうような状態で楽器をディーラーに渡す制作者がいるとは思えないこと、もちろん、そんな状態で試奏させることは考えられないこと、などである。僕がうさんくさそうに見えたのか、どうも「歓迎されていない」ような気がしてならなかった。

このディーラーさんが書いたものを読むと、やはりちょっと首を傾げてしまう。「ディーラーはプロなんだから、買う方は信用して黙って買えばよい」という姿勢が見え見えだからである。それを読んでいたから先入観があったのかもしれないが、試奏に来た人への態度も、もの凄く傲慢に見えた。

こんな思いをしたブースがいくつかあった。何のために出店しているのか、首を傾げざるを得ない。

一方で、多くの制作者や出展者はとても親切だ。そのことが弦楽器フェアを見に行く一つの楽しみでもある。制作者の生の声を聴くことができるチャンスはあまりないので、いろいろと楽しい。

いくつか、思ったことを書いてみよう。

まず、カーボンファイバーの弓の性能である。大体、「カーボンなんて・・・」という意見の持ち主だったのだが、少々考え方を改めた。当初(10年ほど前)と比べて、格段に性能が上がっている。値段を考えると、同程度の木のものに比べてかなりお買い得感があると思うものがあった。少し見直してみる必要があるかもわからない。弾いていて疲れるのは何故だろう、とは思ったのだが。

子どもたちがとっても達者に弾いていること! ああでもない、こうでもないとうんうん唸りながら弾いている横で、どう見ても小学校2,3年生に見えない子どもが、スケルツォ・タランテラなんかをちゃらちゃら弾いている(^ ^;;

遠くからわざわざ来ている人が多いこと。会場で何人かに声をかけられたが、大阪から来ている人も一人や二人ではなかった。なつかしい顔にも何人か会えたことも、収穫。みなさん、熱心ですね(^ ^)

ともあれ、来年も行くんだろうな・・・

[ 2003/11/10(月) 00:00 ] 楽器, 楽器屋譜面屋| コメント(0)
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