10月19日に、大阪で活動している都島ストリングスの演奏会に出演させていただいた。演奏会でソロを弾くのは20年振りで、実に貴重な経験をさせていただいた。都島ストリングスの皆さん、指揮者の坂本さんには、心よりお礼を申し上げたい。
曲が「ヴィヴァルディのイ短調の協奏曲」という、ヴァイオリン弾きなら必ず弾いたことがある曲だったこともあり、本番ではかなり緊張を強いられることになった。普通に弾いたら「何だ、こんなもんか」と思われるに決まっているから・・・
出演の依頼を頂いてから、しばらく譜面を前にしてあれこれイメージしてみた。はっきり言って、ヴィヴァルディをきちんと勉強したことはない。「こんなもの」と思って弾いてきたことに気づいて愕然としてしまった。どこをどう手を付けたらよいのかわからないのだ。おそるおそる弾いてみると・・・やはり難しい。単なる音の羅列になってしまう。かといって、メロディーの意識だけでは、ヴィヴァルディとはかけ離れたものになってしまうだろう。
それから、この「不慣れな」作家との格闘が始まった。まずボウイングがダメである。イタリアバロックのイメージがどうしてもでない。結局・・・大学時代からお世話になっている早川正昭先生のところに、助けを求めてレッスンに行くことにした。
先生は、ヴィヴァルディ合奏団の指揮者を長い間務められ、ヴィヴァルディの研究書の翻訳もされている方だ。自分に足りないものを一番的確に指摘してもらえるのではないか、と考えた。レッスンは非常に楽しく、ためになるもので、レッスンの後しばらくして、ようやくイメージが固まった。さて、それを実現するためにどうしたらよいか・・・いろいろと工夫して、自分なりにボウイングがコントロールできるようになったのは、実は本番の三日前だった。「腕の重みを利用したダウン」がそれなりにこなせるようになったと初めて感じることができたのだ。
オケのメンバーはかなりとまどったかもしれない。一週間前の練習と前日の練習・当日の演奏が、かなり違うイメージになっていたからだ。にもかかわらず、とても素敵なアンサンブルを聴かせていただいた。感謝の極みです。
さて、自分のことをだらだらと書いてしまったが、本番は70点位の出来にはなったと思う。練習中から上がりまくっていたので、結構本気で心配していたのだが(^ ^;;これをきっかけに、少しずつ演奏すると言うことも学び直してみようと思っている。
本当に、ありがとうございました。