柏木真樹 音楽スタジオ

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12
Dec.
2003
2003/12/12 Fri. 00:00
Category:コンサート

サラ・チャンとイギリス室内管弦楽団のコンサートを聴きに行った。最近注目していたヴァイオリニストの一人で、是非生で聴いてみたかった若手だ。若手、といっても、すでにキャリアは十分らしいが・・・オケがECOというのも、とっても期待していた点だ。

3歳でヴァイオリンを始めて4歳でコンチェルトを弾いた・・・なんていうキャリアを見ていると、「ほんまかいな?」という思いと「天才っているんだなぁ」というため息とが混じり合った不思議な気持ちになる。ヴェンゲーロフとかこういう人って、一体どこがどう違うんだろう・・・

サラ・チャンに注目していたのには理由がある。実は一昨年、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団のサマーコンサートがテレビ放映されていて、それのソリストを務めていたのが彼女だった。指揮がドミンゴ!という、いわば「お遊び」のコンサートなのだが、その演奏する姿を見て興味を持ったのだ。その時の曲目は、サラサーテの「カルメン幻想曲」。今回も演目に入っていたところを見ると、いわば彼女の「おはこ」なんだろう。納得しましたけど。

テレビでの彼女は、まさに「色気の固まり」だった。演奏も、表情も。特に二曲目の妖艶なテーマを弾きながら指揮台のドミンゴに迫っていく迫力は、まさに「おお、カルメン!」という感じである。しかもそれが十代の女の子なのだ!言い方は悪いのだが、決して「ヴィジュアル系」ではない彼女が、そんじょそこらの美女をものともしない色気でカルメンを「演じて」いた。迫られたドミンゴが生唾を飲み込んで(かどうかはわからないが・・・)後ずさりする様子がテレビに映し出されたとき、「あ、これは一回実演を聴いてみたい」と思ったのだ。

さて、演奏会ですが・・・予想した通りの演奏だった。体もよく動く。情感たっぷり、というと少し誤解されそうだが、チョン・ファ・キョンのように「絞り出すような」動きや音ではない。もっと自然で、素直な音楽なのだ。それにしては、情感に流されていやらしくなる、ほとんど一歩手前で音楽性を失っていない。これは凄いことだと思う。まさに、カルメンファンタジーが、彼女のために作られた音楽であるかのように思えた。「ポエム」が、ジネット・ヌブーのために存在したように。

他の曲は・・・ブルッフのコンチェルトとドヴォルジャークの「ロマンス」。ドヴォルジャークはいらなかったと思う。オケだけの曲は・・・まぁ、いいでしょう。

付記:指揮者が、アイザック・スターンの息子だった。音楽的な理解力はとてもある人だと思ったが、いかんせん棒が・・・(^ ^;; 頭をひっぱたかれ続けたオケが辛そうにしていました(^ ^;;

[ 2003/12/12(金) 00:00 ] コンサート| コメント(0)
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