柏木真樹 音楽スタジオ

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06
Sep.
2002
2002/9/6 Fri. 00:00
Category:日記

朝、新聞を見たら、ピアニストのペルルミューテルの訃報が載っていた。98歳だったそうだ。

ペルルミューテルを、私は一度だけ聴いたことがある。もう30年近く前になるが、N響の定期演奏会に登場し、ラヴェルの左手のための協奏曲を弾いた時である。演奏は素晴らしいもので、「ラヴェルの直弟子」という紹介と共に、はっきりと記憶に残っている。あの時すでに70前後だったんですねぇ・・・

たった一度ではあるが、ペルルミューテルの演奏を聴くことができたのはとても幸運な事だったと思う。ラヴェルという大きな歴史に、ちょぴっとだけ触れることができたのだと感じる。

こんな話題を書いてみたのは、昔、両親の「演奏会プログラム」を見つけたときのことを思い出したからだ。彼らは、それこそ「食費を倹約してでも」演奏会に通ったらしい。段ボール二つ分のプログラムは、まさに宝の山だった。大阪~東京と家が変わったので、初めの頃は関響(大阪フィルの前身)のものが多いのだが、次第に当時来日した大家達の物が増えてくる。コルトー、シゲティ、ボスコフスキーやヒンデミット指揮のウィーンフィル・・・そこには、大家達が確かに存在した証があった。

最近、「歴史だなぁ」と感じる演奏が少なくなったように思うのは気のせいだろうか。私が聴いてきた大家達・・・オイストラフ、シェリング、リヒテル、ケンプ、ホロビッツ、ミケランジェリ・・・うーん、名前を思い出してみても、「素晴らしい演奏」ではあっても、「歴史だ」という感じがしない。単に「古い物はよく見える」だけなのかもしれないが・・・何故だろう? これから20年も経てば、やはり「歴史」と感じられるようになるのだろうか・・・

心よりご冥福をお祈りします。

[ 2002/09/06(金) 00:00 ] 日記| コメント(0)
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