柏木真樹 音楽スタジオ

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01
Feb.
2010

1月30日

タイトルを見て、楽器のメンテナンスの仕方を期待した方、ごめんなさい(笑)。最初に謝っちゃいます。

昨日は名古屋のレッスン日。名古屋のレッスンは午後になると皆さんが揃うので、共通の話題で結構盛り上がります。体の使い方や音楽の理論のことなど、一緒に話すと一度で済むことも多く、時間を有効に使うことができます。昨日も、体の使い方や頭のトレーニングをみんなであれこれと考えたりする時間がありました。

ある生徒のボウイングを見ていた時のこと。音の立ち上がりがはっきりしないので、楽器と弓を取り上げて弾いてみました。すると音が出にくいのです。「これ、そろそろ毛を張り替えないと」「え? 張り替えるのですか?」

みんなに話を聞いてみると、ほとんど最初から教えた1人以外は、弓の毛がどうなったら張り替えるのかということを知りませんでした。以前に替えたのは・・・「3年」「2年」という状態です。私の大失敗です。

最初から教える場合、ないしは始めてすぐに私のところにやってきた生徒には、楽器のメンテナンスなどの話を必ずすることにしているのですが、名古屋の生徒さんは1人を除いて他の先生に比較的長い間ついていた方ばかり。こういう人には、ボウイングや左手の話は1からするのですが、楽器のメンテナンスや楽譜の読み方などは、既に知っているものと思ってはしょってしまうことが多いのです。チューニングをするときにも、楽器は取り上げても弓は自分のものを使っていたので、こんなに弾きにくい状態で弾いていたとは思いませんでした。

こういう失敗は時々やります。他の楽器を長い間弾いていた人に「楽譜は読めるだろう」と思ってしまうことが一例。音名(特にドイツ音名)が通じないことはすぐにわかりますが、「その長三度」などと言ったときに「わかりません」と言ってもらわないと、わかっているものだと思い込んでしまうのです。「わからないことは何でも質問してね」とはお願いしているのですが、曖昧に覚えている場合には本人に「わからない」という自覚が乏しいので、そのまま見過ごしてしまうことが少なくありません。ある時点で「あれ? 通じてないかも」と気がつくことが多いのですが、そこまでのレッスンで言ってきたことが、かなり未消化のままになっていることがわかって愕然とすることがあるのです。

それにしても…

名古屋の生徒は、みなさんとても音が大きいのです。こんな弓の状態でこれだけしっかりした音が出せるなんて・・・

これから、東京の皆さんも「弓はつるつる」で練習してもらおうかしら(苦笑)

[ 2010/02/01(月) 19:52 ] レッスン| コメント(0)
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