月二回の名古屋のレッスン日。名古屋の生徒さんたちは非常に熱心で、ほとんどの人たちが他の人のレッスンもずっと見学しています。毎回、内輪の公開レッスンのような状態。他の人のレッスンを見学することはとても勉強になると同時に、教える方としても皆さんに一度に説明できることも多く、とても効率の良いレッスンにすることができます。それだけではなくもう一点、体の状態をその場で比較できるという大きな利点があるのです。
今回もいくつかのことで皆さんの体の使い方を比較することができました。肘から先の腕の運動をするときに、肘を前後に動かすための筋肉だけではなく腕を持ち上げた状態で保持する筋肉を余計に使う人と、そうではない人が半分にわかれました。これ以外にも比較対照することで自分の状態を把握することができることは多く、レッスンを有効なものにするためにとても役に立っています。
一人一人の弾き方が違うために、個別の注意がそのまま全員に当てはまるわけではありませんが、基本となる考え方を検証するためには、人の状態を判断できるかどうかが大きく関係してきます。自分ができていないことでも、臆せずに思ったことを言ってもらうようにしていると、次第にさまざまなことがわかってくるのです。レッスンでは、ときどき見ている生徒さんがどのように感じたか、何か問題点を見つけたかを質問します。もちろん自分が出来ていないことでもかまいません。すると、とてもたくさんのことがわかっていることに、自分自身が気がつくことができるのです。音程についても同様です。他人の音程の悪いところを指摘できると音程がよくなっていくことは、アズールなどでも実証済みです。
こうしたレッスンができることは、とても贅沢なことですが、それなりの効果は上がっていると考えています。毎週通うことはできないのですが、その分を補って余りあるのではないか、と、結果をとても楽しみにしているのです。