10月30日、日立市川尻にある特別養護老人施設「サン豊浦」で、恒例となっているヴァイオリンとピアノのコンサートを行ないました。高台にあるこの施設はとても気持ちが良いところで、食堂と普段の生活スペースを兼ねたとても広いホールが演奏会の会場です。年に2回のコンサートですが、入所者やデイサービスを受けている方など、毎回100人ほどの方に聞いていただいています。プログラムは、ヴァイオリンの有名な曲と日本の歌で構成されていて、歌はみんなで歌う/演奏して歌う、という組み合わせになっています。こうした構成にしているのは、このコンサートを企画してピアノを弾いているKEI先生が毎月「音楽療法プログラム」として「発声する/歌を歌う」という活動をしていることの延長線上にあるからでもあります。
【今日のプログラム】
- ・エルガー「朝の歌」
- ・クライスラー「中国の太鼓」
- ・日本の歌/もみじ、七つの子、ふるさと
- ・マスネ「タイスの瞑想曲」
- ・日本の歌/荒城の月、里の秋
- ・サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」
- ・川の流れのように
このような企画は、続けてやることに意味があると思っていましたが、昨日は職員さんから嬉しいお話を聞きました。
「認知症の方が、次のピアノとヴァイオリンの演奏はいつですか、と聞かれるんですよ」
(ご存知の方ならお分かりだと思いますが)認知症の方が「新しいイベント」を記憶して反復することはとても難しいのですが、コンサートを何回も続けていることで、このような反応が出てきたのだと思います。このような場所でコンサートをやっていると、どうしても「そのときの反応」に注目してしまいがちですが、続けることの意味を忘れずにやっていこうと思います。