茨城県守谷市の国際交流セミナーハウスで、子どものためのアンサンブルセミナーを行ないました。4人の先生に習っている、幼稚園の年中組から中学生までの11人のピアノの生徒さんと、一日かけてアンサンブルの体験レッスンをしました。子どもたちとのアンサンブルは、以前からおもしろがってやっていたものです。一時期は、毎月のようにやっていたこともありますが、久しぶり(2年ぶりくらいか?)の催しでした。
子どもたちとアンサンブルをするときに私がいちばん心がけることは、「アンサンブルは誰かに合わせるのではなく、一緒に歩くことだ」ということです。アンサンブルの経験がない生徒(大人も含めて)を指導する時に、指導する側はどうしても「合わせる」ことを覚えさせようとしがちです。これはとてもつまらないことだと思うのです。サイトのアンサンブルのレッスンにも書きましたが、アンサンブルトは「合わせる」ものではなく「合う」ものだと思っているからです。特に、旋律楽器とピアノを合わせる場合、ピアノが旋律楽器に合わせるだけの体験レッスンに陥りがちです。そうではない、一緒に弾いているという感覚を感じてもらうことが私のやりたいことなのです。
幼稚園や小学校低学年の生徒さんとアンサンブルをするときには、手をつないで一緒に歩いたりしてみます。自分が歩きやすい速さで勝手に歩くとどうなるか、一緒に歩くとはどういうことか、合わせると言うことはどういうことか、ということを体験してもらおうという主旨ですが、何かを感じてくれる子どもも少なくありません。また、テンポを作ることと機械的に速さを保つなことの違いを、障害物を置いたところを歩いて感じてもらったりします。こうしたことで、子どもたちの音楽が型にはまったものにならないように、体で「前に進むこと」を感じてもらえたら、と思っています。
11人の生徒さんたちみんなが、短いレッスンの間にどんどん音が変化していくことがわかります。これも子どもたちのレッスンの面白いところ。最初に一緒に弾いたときと、最後に発表会の形式で弾くときと、まるで別人のようになってくれることを見るのは、とても楽しいことです。
音楽を「する」ことがとても好きで、いつも音楽を感じていると思った生徒さんも何人かいました。また、こうした機会を設けてみたいと思っています。