久しぶりに、赤羽の老健施設「さくらの杜」を訪れました。相方のKEI先生は隔月で通っているそうですが、私は半年ぶりくらいでしょうか。
8月27日のプログラム
●夏の思い出
●ユモレスク
●夏のメドレー
●アンダルシアのロマンス
●ムーンリバー
●浜辺の歌
●チャールダッシュ
コンサートはいつものスタイルで、日本の歌は私がヴァイオリンを弾いて客席を歩き回り、KEI先生はマイクを持ってこれはと思う入所者に歌ってもらいます。明らかに言語を失っている方でも、ヴァイオリンを近くで弾いていると、一生懸命身体を動かしたり、自分なりにリズムをとろうとしたり。いつも「来てよかったな」と思う瞬間です。
元気な方は、手拍子をしたり、大きな声で歌ったり。今回は特に、こちらから「歌ってください」と誘わなくても、自然に歌があちこちから聞こえて、とても楽しい時間を過ごしました。
終演後、うれしいハプニングが。「ヴァイオリンの先生、ヴァイオリンの先生」といって、車いすの女性の後ろから施設のスタッフに呼ばれました。近づいてお話をしてみると、その女性は目にいっぱい涙を浮かべて
「先生、先生の弾かれたここのところ(と言いながら、歌詞を指差しました/浜辺の歌の「風の音よ 雲のさまよ」の部分)、ヴァイオリンを弾かれる方は普通はああいう風には弾かないんですよ。本当に涙が出ちゃいました・・・」
と言ってくださったのです。
「ヴァイオリンを弾かれる方は普通・・」というくだり、なにやら、音楽を専門にされていたか、そうでなくても、よく音楽を聞かれていた方だと思います。
日本の歌は、こういったコンサートでは必ず弾いているのですが、私には明確なイメージがあります。それは、30年ほど前に何回か聞いた、ソプラノやアルトの方が歌っていた日本の歌です。(さすがに実演は聞いていませんが、柳兼子さんのレコードも何回も聞きました)普通に歌うよりはやや「大げさ」なのですが、それでも、情感たっぷりに歌われた日本の歌を聴いて、じーんときたことが何回もありました。
自分でヴァイオリンを弾く時も、できるだけそのイメージが出るようにいつも意識しています。それが「ヴァイオリンらしくない節回し」に聞こえたのかもしれませんが、私としては、ヴァイオリンを聞いているだけで歌詞が自然に出てくることが目標なので、このような評価はとてもうれしいものでした。
次回がいつか未定ですが、また、お邪魔したいと思います。