16日は、音楽理論講座を行いました。題して「スコアと仲良くなる方法」です。珍しく参加者が少なかったのですが、ひとりひとりの反応を確かめながらお話をさせていただきました。
●資料の内容
【1】初めに/スコアと仲良くなる、ってどういうこと?
【2】楽譜を読む「名人」はどのように楽譜を見ているのか/読譜の最初のレヴェルアップ
(1)「楽譜を立体的に見る」とはどういうことか
実例トレーニング:ベートーヴェン「スプリング・ソナタ」第1楽章より
(2)最初の練習/全体像を維持して音楽の進行を把握する
(3)読譜力自体のレヴェルアップを図ろう
【3】スコアの仕組みと難しさ
(1)スコアの仕組み
譜例:モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」第1楽章冒頭
ベートーヴェン「運命」第4楽章冒頭
ストラヴィンスキー「春の祭典」より
(2)移調楽器と音部記号の違う楽器、その仕組み
【4】スコアの「眺め方」と練習法
(1)最初のステップ/トレーニングをする楽譜の順序と注意点/背景を作る
実例トレーニング:ブラームス/ヴァイオリンソナタ第3番より第1楽章
(2)次のステップ/実際にオーケストラのスコアを見てみよう
(3)さまざまな楽器を追いかけてみる/音を多角的に聞こえるようになろう
実例トレーニング:ベートーヴェン「英雄」より第4楽章
スコア、特にオーケストラのスコアは、とても「とっつきにくい」ものだと思われています。縦にずらっと並んだ楽譜を読むのは、確かにとても大変なこと。さて、そこにたどり着くにはどうしたらよいか、というのが、今回の講座の内容でした。
理論的なことは、移調楽器などの楽譜の説明がほとんどで、あとは、実際に演奏を聴きながら「楽譜を眺める」こと、「捉える」ことを理解していただくことに時間を割きました。あれこれとお話をして楽譜を見ていただくと、これまで聞こえなかった音が聞こえて来たりします。そうしたことを実感していただいて、最終的にはスコアが読めるようになるにはどうすればよいか、という道筋を説明しました。
来年は、さらに面白くて役に立つ講座を行なっていきたいと思っています。