柏木真樹 音楽スタジオ

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27
Apr.
2012
2012/4/27 Fri. 06:04

毎年恒例の発表会を、今年も5月5日に行ないます。昨年は震災の影響で中止になってしまったのですが、今年はたくさんの生徒(全体の4割りほど)が参加して行なわれます。初出場の生徒も多く、どんな発表会になるか楽しみです。

  • CONSONO21 発表会 2012年5月5日
  • 新宿区四谷区民ホール
  • 12:30 開演予定

(画像は、演目と順番だけのチラシです)

発表会は、教室の最大の行事です。最初に発表会を行なったのは、もう20年ほど前ですが(先生数人で合同で行ないました)、現在のような形になってからは、今年で9年目。あれこれと試行錯誤しながら、少しずつ良い「場所」にしようと思っています。

発表会とは何か、というのは、実は簡単に言えることではありません。生徒のイメージもそれぞれですし、教え手の意図もさまざまです。「日頃の成果を披露する場所」というのが比較的多くの人が持っているイメージかもしれませんが、私が発表会を一生懸命やるのは、全く意図が違います。

そもそも「教え手とは何か」ということにもつながるのですが、私は、発表会は「生徒にとっての経験の場」であると思っています。特に、大人の生徒さんにとっては、とても重要な場所だと思うのです。経験とは、多くの意味を含みます。「本番を踏む」ということももちろんです。「発表会までに曲を仕上げる経験をする」ということも、もちろんその中にあります。そして、「さまざまな経験ができる」ということが、欠かせないと思うのです。

最初に発表会をやったときから、いくつかの前提条件と、将来的な目標を決めていました。それは

★ 同じ曲を複数の生徒が弾かないこと

発表会では、進度が似たような生徒が同じ曲を弾くことがよくあります。自分が過去に発表会に出た経験から、同じ曲を他の人が弾くのはとても抵抗がありました。(もちろん、コンクールなどでは同じ曲をみんなで「比べる」のですが)自分が発表会を主宰するようになって、まず決めたのがこのことでした。でも・・・出演者が50人くらいにふえたら、そうも言っていられないかもしれません(50人になったら、1日では入らないから問題は起きないかも/苦笑)

★ できるだけ曲を分断しないこと

レッスンでは、ほとんどの場合、曲を楽章ごとに練習します。ですから、発表会も「なんとかの第1楽章」「なんとかの第2楽章」などと、曲のある楽章だけを取り上げることが多いものです。しかし、曲はひとつの不可分なものであることが多く、なんとなく中途半端な気持ちがしていました。ですから、せっかくステージで弾く経験ができるのですから、できるだけ、ある楽章だけを取り上げることは避けています。だから、毎回時間が長いのですが・・・

★ できうるかぎり、弾きたい曲を原曲の形で演奏すること

これも、とても難しいことです。特に、子どもの生徒が多くプロ志望の子どもがいるような教室では、どうしてもメカニックな協奏曲をたくさん弾かせることになり、必然的にピアノ伴奏でコンチェルトを弾かねばならなくなります。それはそれで必要なことではありますが、ベートーヴェンやブラームス、シベリウスの協奏曲などをピアノ伴奏で聴くと、別の曲に聞こえます。もちろん、生徒が弾きたい場合は敢えて止めることはしませんが、基本的には発表会でできるスタイルの曲を勧めています。このような方針でやるためには、発表会の場での選択肢を増やさなければなりません。そのために、弦楽合奏の伴奏や室内楽、チェンバロなどを発表会で使うようになりました。コンチェルト専用の発表会を行っているのお、それを徹底したいからです。

★ 他の生徒にも興味を持ってもらうこと

自分が演奏したら終わり、ではなく、他の生徒の演奏を聴いたり、何を学んでいるかを知ることはとてもよい経験になると考えてきました。レッスンでも、他人のレッスンを見学することはとても良い勉強になります。どうしたら生徒にそのように思ってもらえるか、というのは、今でも悩みのひとつですが、少しでも興味を持ってもらうために、プログラムで生徒や曲の紹介を書くことにしています。毎回、発表会とは思えないページ数のプログラムになって、お手伝いの生徒さんたちには迷惑をかけていますが・・・

まだいくつかありますが、大きな方針はこのようなものです。

あと1週間ちょっと。今年も「わくわく」しながら準備をしています。

[ 2012/04/27(金) 06:04 ] コンサート, レッスン| コメント(0)
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