柏木真樹 音楽スタジオ

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05
Oct.
2005

10日の理論講座「ボウイングとフィンガリングの話」の資料作りが大変です。今回は、譜例をたくさん使って、ボウイングとフィンガリングの原則的な部分から、中級クラスの応用まで、かなり詳細に説明するつもりです。内容的には面白くなると思うのですが・・・今回は、参加者が若干少なそうで、まだ余裕があります。興味のある方はどうぞ。

●10月10日「第6回理論講座、ボウイングとフィンガリングの考え方」

今回も、外部からも含めて20名を超える参加者がありました。みなさんの熱心さには、ただただ頭が下がるばかりです。

今回のテキストは20ページ。譜例が80ほど。もちろん、すべてを言い尽くせる訳ではありませんが、フィンガリングやボウイングの考え方の方向性は理解していただいたのではないかと思っています。どんな話をしているのか、テキストの項目だけ引用してみましょう。

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フィンガリングやボウイングは、長い間皆さんを悩ませ続けることになる。その理由は順に述べていくが、今回の講座は、フィンガリングやボウイングを考えるための原則とヒントを示し、これからの練習に役立てていただくことが目的である。

【1】 フィンガリングやボウイングが問題になる理由と基本的な発想

(1) フィンガリングやボウイングが問題になる理由

   1) 機能的な問題

   2) 奏法の問題

   3) 右手と左手の対立

   4) 音楽的な問題

(2) 楽譜に書かれているフィンガリングやボウイングの意味

   1) ボウイングとアーティキュレーションおよびフレーズの関係

   2) 楽譜に書かれているフィンガリングの意味

 

【2】 フィンガリングの原則と実例、応用

(1) 基本的なフィンガリングの原則と実例

   1) 開放弦にまつわる問題

    ① 上行、下降による開放弦の使用

    ② ヴィブラートが必要な場合

    ③ アーティキュレーションの問題

    ④ 機能的な問題

    ⑤ その他

   2) ポジション移動によって起こる問題

    ① 無理な跳躍を避けること

    ② 頻繁なポジション移動を避けること

    ③ 逆モーションのポジション移動やフィンガリングを避ける

   3) スライド・フィンガリングについて

   4) その他の原則

    ① 指の強さや運動性能に応じたフィンガリングを考える

    ② 無理のない指を選択する

    ③ 頭の反応による指の選択

(2) 音楽的な、応用力のあるフィンガリングを考えるために必要な要素と考え方

   1) 運動の視点で考えた要素

    ① ポジションを柔軟に使うこと

    ② 開放弦の有効な利用

    ③ ポジション移動の典型的な例

    ④ その他

   2) 音楽的要素

    ① 表現のために特定のフィンガリングを選択する場合

    ② アーティキュレーションの問題

    ③ その他の事例

   3) 複合的な問題

(3) 実例と応用問題

 

【3】 ボウイングの原則と実例、応用

(1) 基本的なボウイングの原則と実例

   1) 物理的な問題

    ① 速い弓を要求される場合、立ち上がりをしっかりする場合

    ② 音量の増減にふさわしいボウイングの選択

    ③ 弓を跳ね上げる音、響きを残す音は、アップが相応しいことが多い。

    ④ アウフタクトはアップで演奏されることが多い

    ⑤ 弓の速度や奏法などによって変化する弓の位置による影響

    ⑥ 物理的に不可能なフレージング・スラーを切ること

    ⑦ 付点の処理

    ⑧ 重音の処理

   2) 音楽的問題

    ① 長いディナーミクの変化がある場合

    ② 形をそろえること

    ③ 様式によるボウイングの選択

   3) アンサンブルの問

(2) ボウイングの考え方を広げること

(3) 実例と応用問題

 

【4】 フィンガリングとボウイングの相関

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音楽理論的なものは、もっと内容が多岐にわたりますが、毎回、とても時間が足りない内容で、参加者はかなり頭が疲れるようです(笑)。テキストを作るのは大変ですが、皆さんが少しずつ「頭を上手に使って」音楽に取り組まれるようになってくることを感じて、とてもやりがいを感じている作業でもあります。次回は来月の3日。和声の簡単なお話が中心です。さて、テキストが間に合うかどうか(苦笑)

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[ 2005/10/05(水) 00:00 ] 講習会| コメント(0)
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