柏木真樹 音楽スタジオ

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16
Nov.
2005

大阪のいずみホールのレジデンシャル・オーケストラである、いずみシンフォニエッタの東京公演を聴きに、紀尾井ホールに足を運びました。コンサートマスターの小栗まち絵先生がお目当てですが、オーケストラ自体にも非常に興味があったので、楽しみにしていたコンサートです。初の東京公演ということで、残念ながら6分ほどの入りでしたが、演奏会自体は非常に面白いものでした。

曲目は、ヴォイチェフ・キラールの「オラワ(1986)」、マウリシオ・カーゲルの「フィナーレ(1981)、イベールの「室内管弦楽のためのディヴェルティメント」、西村朗の「室内交響曲第一番」という、「聴いたことがない曲ばかりの」プログラム(苦笑)。

まず、オーケストラのメンバーの力量の高さに驚きました。若いプレーヤーが多いのですが、一人一人の技量が高いだけでなく、アンサンブル能力も非常に高いのだと思います。どの曲も難曲だと思うのですが、メンバーの力が十分に発揮されていました。そして、とても「楽しそうに」体を使って演奏しているので、演奏にとても躍動感を感じます。室内オーケストラとは言え,なかなか日本では感じられないことのなので、新鮮でした。

4曲の中では、イベールがとても面白い曲でした。指揮者の飯森範親さん曰く「中年の新婚さんがハネムーンに行って繰り広げるドタバタ、のイメージ」だそうですが、おもちゃ箱をひっくり返したような、どこかファニーな印象の強い曲です。可能であれば、アマチュアがやっても楽しそうな曲ですが、難しいかも・・

「フィナーレ」は、非常に変わった曲です。途中で指揮者が倒れる演出付きで、会場から思わず笑いがわき上がりました。指揮者不在のオーケストラが最後まで演奏した後、指揮者がタンカで運び出されるオチ。ちょっとした舞台を見ている気分でした。イベール以外は非常に新しい曲ですが、どれもいわゆる「現代音楽」の聴きにくさが少なく、作家の傾向が少しずつ自然な方向に変化しているのではないかと思いました。

お客さんが思いのほか少なかったのは残念でした。何かのおりに聴かれるチャンスがあったら、一度聴かれてもよいオーケストラだと思います。

[ 2005/11/16(水) 00:00 ] コンサート| コメント(0)
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