昨日、発表会が終わりました。全体としては成功だったと思います。
今年は、いろいろなハプニングがありました。3月に私自身が不調になったのを始めとして、ピアノとの出演者だけが直前に減ってしまい、ピアニストが交代するというアクシデントがありました。また、楽器が壊れてしまった人も。にもかかわらず、出演した皆さんにとって、とても貴重な体験になったであろうと、満足しています。もちろん、緊張してリハより出来が悪かった方もいますが、それは、ある意味で当然のこと。こうした体験を続けていくことで、コンサートがどのようなものかということを実感できるようになると信じています。
アシスタントをお願いしてから初めての発表会だったのですが、アシスタントのお二人が、それぞれの持ち味を活かして、とても良い関係を作ってくださったことが、とてもうれしくおもいました。お二人と出演した生徒が、いずれもとても伸び伸びと弾いていたことが印象的でした。
チェンバロとのアンサンブルは、これからも是非続けたいと思います。チェンバロと合わせると、みなさん、自然に変化します。前にも少し書きましたが、これはピアノと合わせていては絶対に起こらないことだと思います。そして、私の繰り言を100回聞くより、きちんとしたチェンバロの演奏と一緒にアンサンブルをすることが、生徒にとってとても貴重だということが、今年も十分に感じられました。
初めて参加した名古屋の生徒さんたちも、それぞれ成果を持ち帰っていただいたことと思っています。遠隔地からの参加でいろいろと不自由もあったと思いますが、これからも積極的に参加してほしいと思います。
直前に曲を変更していただいたピアニストも、想像以上に健闘してくれました。まだお若いかたなので、これからたくさんの経験を積んで、素敵なピアニストに成長してほしいと思いました。
その他の生徒たちも、それぞれに持ち味を活かしてくれたと思います。そして、みんながしっかりと音を出していたことが、とても印象的でした。
個人的には、アズールの演奏に少々まいりました。これほどのことができるとは思わなかったからです。また、ゆっくりと、時間をかけて、本当の音楽をやってみたいと思います。
私ができることは、生徒さんたちに「音楽をする場所」を与えることだけです。場所とは、単なる空間を指すのではなく、さまざまな経験ができることを意味しています。発表会で、弦楽オーケストラをバックにしたり、チェンバロとのアンサンブルをしたりというのもそうですし、講習会やアンサンブル・セミナー、アズールなどの合奏団など、一人一人がやりたいと思うこと、経験したいと感じることができることを含めて、「場所」と考えているのです。そうした意味では、少しずつ、私の考えていることができ始めたような喜びを感じました。
さて・・個人的には、史上最悪の惨敗でした。精神的にも肉体的にも演奏ができる状態ではなく、まったくお耳汚しになってしまいました。最大の、そして唯一の反省点です。
******プログラム*******
〔第一部〕(14:30)
- 1)アウアー:ヴァイオリン奏法第一巻より Grand-Ma’s Favorite Minuet, In Gavotte Tempo, Air de Ballet, Minuet, Caprice, American College Song
- 2)モーツァルト:12の二重奏より
- 3)マザツ:二台のヴァイオリンのための作品集op.85より第4番
- 4)チャイコフスキー:「カンツォネッタ」
- 5)ベートーヴェン:ヴィオラとチェロの為の二重奏曲
- 6)プレイエル:二台のヴァイオリンのための小品集より
- 7)ヘンデル:シャコンヌ(アレンジ版)
- 8)グリーグ:ヴァイオリンソナタ第3番
〔第二部〕弦楽オーケストラとともに(16:00)
- 9)バッハ:二台のヴァイオリンのための協奏曲
- 10)バッハ:ヴァイオリン協奏曲イ短調
〔第三部〕チェンバロとのアンサンブル(16:50)
- 11)エクレス:ヴァイオリンソナタ
- 12)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1018第1、2楽章
- 13)ルクレール:二台のヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ
- 14)ヘンデル:ヴァイオリンソナタへ長調
- 15)ルクレール:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタ作品1−12(アレンジ版)
- 16)バッハ:ヴァイオリンと通奏低音のためのソナタBWV1017
〔第四部〕(18:30)
- 17)エルガー:「弦楽セレナーデ」 アズール弦楽合奏団
- 大山元:「子守歌」
- 18)パガニーニ:「24のカプリース」より第5番、第24番
- 19)クライスラー:レシタティーボとスケルツォ・カプリース
- 20)モーツァルト:弦楽四重奏曲KV.465「不協和音」環弦楽四重奏団