●12月23日
恒例になっている、守谷市でのアンサンブルセミナーを行ないました。今回は10人のピアノの生徒が、デュエットやトリオに挑戦しました。曲は、バイエルやソナチネを、ヴァイオリンやチェロ、トリオなどのアンサンブルにアレンジしたものや子ども用に作られたトリオから、モーツァルトやベートーヴェンまで。
初参加の生徒は1人で、だいぶ「常連さん」が増えました。定期的に一緒に弾いていると、子どもたちの進歩がよく見えてとても面白いものです。曲目がだんだん難しくなると同時にできる事も増えます。しかし、そうなると新しいことをどんどん要求したくなるのが教え手の「性」です。とても上手に演奏してくれた生徒に、思わず学年を忘れて難しい要求をしてしまうこともありました。
ピアノはどうしても「1人で」音楽を考えてしまいがちになります。小さい頃からこうしたアンサンブルに触れていることは、音楽的な広がりを持つためには必要なことだと思っています。できるだけたくさんの生徒が、多くの曲に挑戦して欲しいと思っています。
アンサンブルのレッスンは、特に初級者や子どもを対象としたものは、「合わせる」「聞く」ということを強調する指導者が多いように思います。手を叩いて合わせたり、顔を見て合わせたり、呼吸を合わせたり・・・合わないと「聞きなさい!」
私は、こうしたアンサンブルのトレーニングには懐疑的です。実際にアンサンブルをやってみるとわかるのですが、「合わせる」センスというのは、こうした作業では身に付きません。手っ取り早く「そこそこ合っている」状態を作ることはできるのですが、音楽的に「合う」ことはそれとは違うのです。
私のレッスンは、「真面目な」先生が見たら怒るかもしれません(笑)。手をつないで歩いたり、一緒に「感じる」経験をさせることをしても、手を叩いて合わせたり、見て合わせたりということを全くしないからです。場合によっては、一緒に弾くだけ、ということもあります(稀ですが・・・)。こうしたときは、弾き方を少しずつ変えたり、弾く位置を変えたりして、子どもの反応を探ってみます。反応がでてくればしめたもの。4、5回合わせて弾くうちに、生徒の演奏がどんどん変わってくるのです。
私にとってはとても楽しい仕事です。これからも続けていきたいですね。