恒例の、生徒さんたちのアンサンブルセミナーが、16〜18にちの日程で、山中湖のペンションセロを借り切って行いました。一年一回の恒例行事にして3回目ですが、今年もとても楽しく終了することができました。
今年のコンセプトは、「トレーナーとカルテット」です。生徒14人に対してトレーナー8名という、かなり贅沢な条件の中で、トレーナー三人に生徒一人という編成のカルテットを、参加者全員に経験してもらうことができました。トレーナーは、私とアシスタントの先生、関西で活動しているヴィオリスト兼バロックヴァイオリニストのプロ3人に、いずれもアマチュアオーケストラのトップクラスのベテランたち、という構成です。二日間にわたり、一時間単位で生徒が入れ替わるカルテットの練習が同時並行で二組。途中で、バロックの入門講座と「アイネ・クライネ・ナハトムジークの読み方」という二つの講座をはさみ、最終日には全体合奏という、かなり盛りだくさんの合宿になりました。
私は以前から「アンサンブルは、自分が一番下手な時に最も楽しいし、勉強になる」と思っています。もちろん、あまりに力量差があり、その差を「上手い人」が勘案しないと意味がありませんが、このアンサンブルセミナーでは、参加した生徒にできるだけ良い体験をしていただくことが目的であるということを、トレーナー全員がしっかり認識してますので、こうした心配をせずに、皆さんにカルテットを楽しんでいただくことができました。
アマチュアの皆さんは、自分と同じような力量やキャリアのアンサンブルは比較的容易に経験できても、特に初級者の場合、なかなか「上手な人」とのアンサンブルに加わることはできません。また、プロの指導者一人が混ざったアンサンブル体験などは、エイパの活動の中や、各地で行われているセミナーで体験することもできます。私も、最初はこの形を併用していたのですが、やはり「トレーナー3人に混ざって弾きたい」という生徒さんが多いことや、参加する生徒さんが何を得られるか、ということを考えて、このような形にしました。
参加した生徒さんはすべてレイトスターターで、カルテットなど初めて、という人も多いのですが、こうした人たちに「どうせアンサンブルを体験するなら少しでも良い経験をしてほしい」と考えて始めたことです。まだファーストポジションしか使えない人も何人もいるので、必然的にモーツァルトの初期やハイドンの作品が主になりますが、それでも、しっかりしたアンサンブルができる三人に加わっていただくことで、とても良い経験ができたのではないかと思います。
普段、私のレッスンや合奏指導を受けている生徒さんたちですので、できるだけ私が参加しない形のカルテットを経験していただきました。一人の人間ができることは(特に優れた例外的な指導者を除いて)限られており、できるだけ私以外のアドヴァイスを受けてほしい、というのがその理由です。結果として、私はほとんどレッスンをして過ごし、一番「楽」をすることができました(苦笑)。まったく休みなしの弾きっぱなしで生徒さんたちを指導してくださったトレーナー陣に、この場をお借りして御礼申し上げます。
来年の日程も決め、これからじっくりとアイデアを練ろうと思っています。次回も、たくさんに参加していただけるようにしたいと思います。
参考までに、セミナーの日程表を書いておきましょう。
- 16日
- 11:00-12:00 カルテット1組 レッスン
- 13:00-14:00 カルテット2組 カルテット3組 レッスン
- 14:00-15:00 カルテット4組 カルテット5組 レッスン
- 15:00-16:00 カルテット6組 カルテット7組 レッスン
- 16:00-17:00 カルテット8組 カルテット9組 レッスン
- 17:00-18:00 カルテット10組 カルテット11組 レッスン
- 20:00-21:00 カルテット12組 カルテット13組 レッスン
- 21:00〜 懇親会(弾き飲み、とも言う)
- 17日
- 9:00-10:00 バロック入門講座 カルテット4組
- 10:00-11:00 カルテット5組 カルテット6組 レッスン
- 11:00-12:00 カルテット7組 カルテット10組 レッスン
- 13:00-14:00 カルテット3組 カルテット2組 レッスン
- 14:00-15:00 カルテット13組 カルテット12組 レッスン
- 15:00-16:00 講座「アイネクの読み方」 レッスン
- 16:00-17:00 カルテット11組 カルテット1組 レッスン
- 17:00-18:00 カルテット9組 カルテット8組 レッスン
- 20:00- 発表会
- 18日
- 9:00-11:30 全体合奏(バッハ/管弦楽組曲より、大三元/子守歌、開放の弦想)