柏木真樹 音楽スタジオ

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 時間が前後しますが、コンサートの翌日、Manuel di Landaさんの工房を訪ねました。Landaさんはミラノ出身で、昨年9月にクレモナを訪問した時に永石さんに紹介していただいた(https://maki-music.net/blog/2015cremonafood/)、製作家兼リペアラーです。今回はワークショップにも参加してくださって、そのお礼も兼ねてクレモナ市の中心から少し離れたところ(徒歩10分くらい)にある工房を訪れました。

Landaさんの自宅兼工房の入った共同住宅の中庭で

Landaさんの自宅兼工房の入った共同住宅の中庭で

 

 

 クレモナ市内中心部の家は、ほぼ全部が共同住宅です。古い建物は入り口は狭いのですが、中に入ると中庭があって、中庭を取り囲むように3〜4階建ての部屋があるのが普通です。この中庭からの風景がとても素敵なのですが、市内の家はセキュリティーのために入り口に鍵をかけていることがほとんどなので、訪問先でしか内部は見られません。いくつか写真をあげておきますので、雰囲気を感じてください。

 

 

 

2台の楽器を拝見しました。1台を調整中にもう1台を試奏

2台の楽器を拝見しました。1台を調整中にもう1台を試奏

 

 

 

 Landaさんの自宅兼工房は市内の建物と違い、中庭がとても広く開放的な集合住宅です。市街地から離れたところにお邪魔したことがないのでわかりませんが、土地を広く使えるところではこうした造りも珍しくないのかもしれません。

 

 

 

 

とても優しい方ですが、楽器の話になると表情が変わります

とても優しい方ですが、楽器の話になると表情が変わります

 

 

 

 Landaさんは、奥様のAuélie Georgesと一緒にこの自宅で工房を持っています。Landaさんはクレモナ市内でリペアラーの仕事もしているそうで、ご自分の楽器のことだけでなく、修復の話しもとても面白く聞かせていただきました。これまでLandaさんが手がけた修復楽器が全て納まっているファイルには、楽器の全体だけでなく修復過程が詳しく記録してあり、いくつかの記録を見せていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

Landaさんの右側の机にあるのがこれまでの記録をまとめたファイル

Landaさんの右側の机にあるのがこれまでの記録をまとめたファイル

 

 

楽器は2台見せていただきましたが、優しい性格が楽器にも表れていて、とても弾きやすい、馴染みやすい楽器でした。あれこれと調整しているところを奥様と二人で真剣に見ていて、その後、お茶とお菓子をいただきながらあれこれと楽器の話しをしてお別れしました。

 

 

 

 

 

 もう一人、Fiorella Anelliさんの工房をご紹介します。

とても古めかしい建物ですが趣があります

とても古めかしい建物ですが趣があります

 

 

 

 Anelliさんの工房は、ヴァイオリン博物館にほど近く、私立の製作学校の目の前にある共同住宅です。とても古い建物で、エントランスにはクレモナの建物特有のオートロックがありません。中庭にはいると、ひなびた感じのグレーの建物が印象的です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

試奏を見つめる目は真剣そのもの

試奏を見つめる目は真剣そのもの

 

 

 

 工房は女性らしい雰囲気が漂っていて、可愛らしい(失礼!)Anelliさんによく似合っています。しかし、楽器に対する情熱は、言葉の端々に、試奏を見つめる真剣な目に表れています。1回の試奏では問題点を解決できず、「明日の朝までに駒をこんな風に削っておいてください」とお願いして、翌早朝にもう一度お邪魔しました。

 

 

 後日談。

 私の生徒の生徒(孫弟子になるのか・・・)の持っている楽器がAnelliさんのものであることが判明。先日のアンサンブル遊び会では、チェリストがMaestro Coniaの楽器を持っていたし・・・こういうことも少しずつ増えるのかもしれませんね。

 この他にも、6つほど工房を回りました。どこの工房に行っても、とても楽しい時間を過ごすことができました。

 これで、今回の「真面目な」報告はおしまいです。あとは、エピソードと食べ物編を少し書こうと思います。

[ 2016/10/30(日) 12:34 ] クレモナレポート, ヴァイオリン, 楽器| コメント(0)
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