柏木真樹 音楽スタジオ

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 8月10日に、母親の傘寿(さんじゅ)を祝うコンサートがありました。60年に渡ってピアノを教えて来た人ですから、生徒の数も半端なものではありませんが、今回は幹事さんの世代(40代)より若手を中心に、40人ほど(演奏したのは20人ほど)で企画し、それに私たち兄弟も参加させていただきました。私はへそ曲がりで、「生徒は先生を越えるのが当たり前」「生徒はどこかで突き放すべきで、いつまでも頼られてはいけない」などと普段から公言していますが、いろいろなことを考えさせられたコンサートでした。

母親と。私の生徒たちもお祝いに駆けつけてくれて、素敵な80本のバラの花束をいただきました。ありがとう!

 母を慕う多くの生徒たちは、レッスンはもちろんのこと、母の人柄にも惹かれていました。家でレッスンをしていたので、母の手料理を食べた生徒も数多く(ほとんどみんなかな/笑)、コンサートのプログラムに載せた思い出話の寄せ書き集にも、食べ物のことがたくさん登場します。食べ物にこだわることでは負けない私ですが、レッスンがスタジオなので手料理というわけにはいかず、昼時や最後の生徒さんと食事に行ったり飲みにいったりする程度です。もちろん、レッスンに付随して食事を一緒にすることの是非はあるでしょうが、母の手料理を食べた生徒さん達は、「おもてなし」の心がこもった料理を食べて、母の人柄により接することができたことと思います。

 母親のお祝いのコンサートですから主役はもちろん母親ですが、私にとっても収穫の多いコンサートでした。

 ひとつは、こんなことを言っていた生徒が何人もいたことです。
「お母様のお話や出演者の話を聞いていて、なるほど先生のお母様だな、と、先生を少しわかったような気がしました」

 私は母親のようなキャリアはありませんが、それでも何かを教えようとする時には、どんな相手でも(思わず)本気になってしまいます。時としてかなり厳しいことも言いますが(それが辛くてやめた生徒さんもいます)、「本気になったときの厳しさ」は、続けて来た生徒には十分理解されるのだ、ということを改めて確認しました。と、同時に、これで私が母親のような人格者であれば、生徒にももっと伝わりやすいのかもしれない、と、大いに反省しました。また、「教える」ことの大切さ、難しさを、改めて感じました。

 もうひとつは、久しぶりにヴァイオリンを弾いて楽しかったことです。ここ2年間、特に昨年の春からは、さまざまなことが立て続けに起こって、心身ともにかなり参っていたのですが、久しぶりに兄弟(とピアノ)でトリオを弾いて、嫌なことを忘れられるくらい、幸せな時間を過ごすことができました。私以外の二人は演奏家として活躍しているので、「演奏のプロ」の厳しさやこだわりからも学ぶことが多かったように思います。

 というわけで、心機一転、少しずつですが前に進んでいきたいと決意を新たにすることができました。これからもどうぞ、お付き合いください。

[ 2014/08/15(金) 13:23 ] コンサート, 日記| コメント(0)
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