柏木真樹 音楽スタジオ

トップページ > Blog > コンサート > オーケストラCONSONO第4回定期演奏会を終わって

 10月14日に、CONSONOの第4回定期演奏会を、無事、終えることができました。ご来場くださったみなさまに、御礼申し上げます。

 1週間前のリハーサルから、野平さんのピアノには圧倒されました。練習会場のあまり良くないピアノが、まるでベーゼンか、というような響きがする。左の分散和音がちゃんとつながって聞こえるのに、右手の細かい動きが全く濁らないのです。休憩時間に野平さんが練習している時、思わず足下をじっと見つめてしまいました。指揮者がピアノの下を覗き込んでいる図は、ちょっと変だったと思います(笑)もちろん、ペダルだけでなく、音色の多彩さもすごい。

 野平さんが「共演者として」とても人気があるのがよくわかります。練習中も、オーケストラの音にものすごく敏感に反応する。逆に言うと、野平さんが弾きたいように弾くためには、オーケストラが少しでも足を引っ張ってはいけない。練習をするうちに、逆に野平さんに「喧嘩を売る」くらいでないと、と強く感じました。指揮をしていて、思わず「こんな人相手に私なんかが指揮をしてよいのだろうか」と恐怖も感じました。

 しかし、練習を2回取っていただき、ステージリハーサルも時間をかけて出来たので、少しばかり私もオーケストラも前に進んだのではないかと思います。次回は三石精一先生ですが、先生の指揮でコンチェルトを演奏するのはとても「楽」です。オーケストラのメンバーも、みんなそれを楽しめるのではないかと思います。

 練習で一番神経を使ったのは、冒頭のロ長調の弦楽器の出だし。いかにピアノと対比させ、やわらかく演奏できるかということに集中しました。結果はそこそこかな、とは思いますが、思い通りにいかなかったところもいくつかあり、「まだまだ甘いなぁ」と大いに反省しました。

 ブラームスは・・・

 全く私の責任なのですが、100%集中できていなくて、リハーサルで大失敗。メンバーには余計な心配をさせていまいました。冒頭が硬かったのは、それも原因だと思います。それで、暗譜で振る予定がスコアを置いて指揮しましたが、本番は楽譜は却って邪魔になります。見なくてもページをめくれるぐらいには覚えているのですが、それでも「めくる」という動作は、僕のような経験が浅いものにとっては「余分な動作」になってしまいます。今後の課題です。

 この曲をこんなに真剣に勉強したことはなかったのですが、読めば読むほどブラームスの凄さを感じました。フレーズの作り方ひとつにしても、なんというアイデアの豊富さだろうか、とため息が出ます。単に長いだけじゃない、短いフレーズをずらしたり、接着剤になるような音を使ったり、強弱の差でフレーズがつながるように聞こえたり・・・練習では、それが「ブラームスの意図通りに」音になるように心がけました。「やった」と思うところもいくつもあったのですが、まだまだ全くやりきれていない。単に「弾けるか/弾けないか」ということではなく、メンバーも少しずつ楽譜に書かれていることを理解してくれたと思います。

 次回は、私は指揮台を降りて、コンサートマスターをやります。三石先生の「マジック」で、CONSONOがさらに良いオーケストラになるだろうことが、とても楽しみです。

 今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

[ 2013/10/22(火) 20:25 ] コンサート, 日記| コメント(0)
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