「読譜力を鍛える」と題した連載を執筆中のサラサーテですが、第54号が発売になりました。今回は、同時に「楽譜、楽語の読み方」という特集の執筆も担当しました。
特集は、作曲家の笠松泰洋さんとの分担執筆です。笠松さんは作曲家の立場から楽譜を「どう捉えてほしいか」という視点で、私は「楽語を理解するにはどうするか」という内容で執筆しました。
笠松さんとは、実は東京大学のオーケストラの同期生でした。彼はオーボエ吹きでしたが、「作曲家になる」と決めていて、大学では美学を、そして当時から三善晃さんについて作曲の勉強もしていました。彼は私と違ってきちんと大学を卒業し、苦労して現在の地位を築き上げた人です。当時約束した「ヴァイオリンソナタを作ったら弾いてもらう」は、未だに実現していませんが(笑)さすがに作曲家だけあって、私のような浅学非才な楽人とは違った見方がとても面白いものでした。みなさんも、是非、お読みください。
今回の特集と連載は、大阪在住のヴィオリスト、坂本卓也さんにも協力してもらいました。彼は私と同じように、アマチュア出身ですが、大阪のプロ・オーケストラでエキストラをしたり、自分のバンドでコンサートをやったりしています。とても勉強家で、活動範囲もバロックからポップス系まで幅広く、作曲やアレンジも手がけています。今回は、特に古い楽譜の記述について、たくさんの示唆をいただきました。
ストリング誌が思いがけず廃刊になり、現在日本で出版されている弦楽器の専門雑誌はサラサーテだけです。できるだけよい雑誌になるように、私も微力ながら協力してきたいと思っています。
みなさんも、是非、買って(笑)お読みくださいませ。