11月11日、久しぶりに大野さんの指揮を聴きました。場所はみなとみらいホール。
- ドビュッシー:「牧神の午後への前奏曲」
- ストラヴィンスキー:「火の鳥」(1911年版に数曲を加えたもの)
- プロコフィエフ:「ロメオとジュリエット」(第1、第2組曲を入れ替えたもの)
- アンコール:フォーレ/パヴァーヌ、ベルリオーズ/ラコッツィ行進曲
大野さんのコンサートは何回目でしょうか。東京交響楽団を指揮したデビューコンサート以来、東京フィルハーモニーの常任を降りた1999年までは、ほぼ全てのコンサートを聴きました。彼が十分に有名になってからは頻度が減りましたが、大野氏のファンとしては年に数回のコンサートは楽しみです。
私が感じている大野さんの音楽の特徴は「無理がない」ことです。音楽の流れが極めて自然なのです。それは若い頃から一貫していて、デビューコンサートの「エロイカ」からずっと感じていたことです。特別に何かを誇張したりすることなく、音楽が実に心地よく進行するのです。縁あって彼の指揮で数回演奏する機会がありましたが、弾いてみるとそのことがよくわかります。特別に「こうやって弾こう」と思うことなく、「弾かされて」しまうのですね。
20代の頃、よくご一緒させていただいた読響やN響の団員の中には「彼はダメ。伸びない」と言う人が多かったのですが、飲みながら彼の熱っぽい語りを聞いていると、「こいつは絶対にヨーロッパのオペラハウスのシェフになるぞ」と確信させられました。今はご存知の通り、世界中で認められるオペラ指揮者になりましたが、凄いと思うのは彼が当時から一貫して持っているものにブレがないことです。
今回のプログラムでも、彼の音楽の良さが十分に感じられました。ただし、プロコフィエフは最後の部分をカットせずに演奏して欲しかった。
しかし・・・フランスのオーケストラの木管楽器はいいですね。音が柔らかく、とても心地よい。