今日は、日立市の二カ所で小さなコンサートのはしごをしてきました。午前中は特別養護老人ホームとディケア施設などが一緒になった老人施設で、午後はいわゆる学童保育を行なっている児童館でのコンサートです。チャールダシュやツィゴイネルワイゼン、モーツァルトのメヌエット、スーヴェニールなどのヴァイオリンのための曲と、午前中は日本の歌、午後は宮崎アニメなどを組み合せたプログラムです。午前中のお客さんは、恐らく平均年齢70以上、午後のお客さんは10歳未満です。その差はなんと還暦以上!! 雰囲気も反応も全く違ったコンサートで、とても興味深いものでした。
午前中に訪れた「サン豊浦」では、3回目のコンサートです。聴衆は今までで一番多く、7、80人ほどでしょうか。昨年の6月に初めてお邪魔してから、今年の6月/今回と、少し間隔が短くなりました。入所していらっしゃる方々とも、少し顔が通じるようになってきました。企画をしてくださったピアノのKEIさんは、この施設で毎月音楽療法を実践されていますので入所者のみなさんとは顔なじみ。最初は「お客さん」だった私も、少し慣れてきたようです。
日本の歌は、毎回とても人気があるものですが、今回はツィゴイネルワイゼンなどのヴァイオリンの曲にもとても大きな反応がありました。途中で涙ぐむ方も少なくありません。最後に美空ひばりさんの「川の流れのように」を弾くと、何人もの方が涙を流していました。感情の反応は人間の活動の根本です。涙が流れるということは、その方にとってとても良いことだと思います。終演後に握手をしてくださったたくさんのお年寄りが、本当に力を込めて手を握ってくださったことを忘れません。
一方、午後の児童館はうってかわって賑やかなものになりました。50人くらいの子どもたちと10人ほどの親御さんたちがお客さんです。始まる前から、「あ、トトロだ」「チャールダッシュだよ」と賑やかなこと。始まる前に少し旋律を弾くと、歌い出す子どもたちが続出です。始まってからも、歌える曲になると思い切り歌う子どもたちがたくさん。ヴァイオリンの音がほとんど聞こえないくらいの音量!!
コンサートで弾いている最中、ずっと考えていたことがあります。それは、東京でこうした催しをした時に、子どもたちがどんな反応をするだろうか、ということでした。久しぶりに元気な、少々わんぱくな子どもたちを見て、たくさんの元気をもらった気分です。
こうしたコンサートは、これからもできるだけ続けたいと思っています。できることは大きなことではありませんが、私自身のためにも必要な活動であると考えています。