柏木真樹 音楽スタジオ

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07
Nov.
2002
2002/11/7 Thu. 00:00
Category:コンサート

友人の作曲家が書いた新作のご披露、ということで、チェンバロが中心のコンサートを聴いた。チェンバロは、芸大の助教授をなさっているローラン・テシュネという方。曲は全てチェンバロと邦楽器の組み合わせで、七人の作曲家の新作ばかりという、ちょっと風変わりな演奏会。箏と三味線が田中奈央一さん、尺八が藤山道山さん、笙が宮田まゆみさん、という組み合わせ。面白いので、まずはプログラムから。

= プログラム =(全曲世界初演)

  • 1)増本伎共子 : チェンバロと箏のための「綾」・・・チェンバロと箏
  • 2)久木山直 : 尺八の午後、あるいは完璧なる恋人第二番・・・チェンバロと尺八
  • 3)川島央子 : LIMIT CYCLE・・・チェンバロ、尺八、三味線
  • 4)法倉雅紀 : 炎の(かぎろひの)・・・チェンバロソロ
  • 5)石島正博 : 艶夏・三十間堀・嵐のならはし・・・チェンバロ・三味線
  • 6)林達也 : Interpenetration・・・チェンバロ、尺八、箏
  • 7)藤井喬梓 :「空の鳥船」・・・笙・チェンバロ

まず、正直に白状しよう。この演奏会、眠らないで聞いていられるかどうか、自信がなかった(^ ^;;なにしろ「新作」ばかり。しかもききなれない組み合わせの曲で、一体どういうことになるのか、見当がつかなかったからである。しかし、その心配はまったくの杞憂に終わった。なにしろ面白くて、非常にエキサイティングな演奏会だった。

まず驚いたのは、箏、三味線、尺八の表現力の多彩さだった。意欲的な七人の作曲家によって書かれた曲は、どれもこれらの和楽器から最大限の表現力を引き出そうとしている。和楽器については全く不勉強で、こんなにもバラエティーに富んだ表現ができるのかと、大きな発見をしたような気分になった。そしてそれが、チェンバロとのバランスを考えて書かれているおもしろさ。

チェンバロといえば、使われたチェンバロは三段のモダンだったが、現代曲って、チェンバロの可能性をあんなに駆使するんですねぇ・・・およそ古典的な奏法とは無縁で、まるで打楽器のように使うこともあり、ちょっとびっくり。(しかし、そのために調弦は二曲目でもうかなり狂っていました・・・これは残念(; ;)最後の方は、もう聞くに堪えない音程だった・・・途中で調律すべきだったと思う)

特に可能性を感じたのは、五曲めの石島さんの曲。とても耳のよい作曲家ではないかと感じた。三味線の音とチェンバロが、あんなにシンクロするとは思わなかった。同じはじく楽器の組み合わせでも、一曲目が「ありきたり」に聞こえたのに比べて、新しい発見をした気分になった。

それ以外の曲も、どれも個性的で楽しめた。こんな演奏会があるなんて、ちょっとした驚きである。演奏会で楽しんで、そのあととんでもなく素晴らしい食事をしてしまったので、この日は「本当に幸せ」な一日だった(^ ^)

[ 2002/11/07(木) 00:00 ] コンサート| コメント(0)
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