柏木真樹 音楽スタジオ

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09
Oct.
2011
2011/10/9 Sun. 11:44
Category:音楽的主張

料理好き、食べ物好きである。あちこちに書いているので、私が書いているものを読んで下さっている方は、よくご存知だろうと思う。

 

昔、トマトソースを作る時に、ベーコンや玉葱を入れていた。オリーブオイルに、ニンニク、玉葱を入れてよく炒め、ベーコンを入れてトマトを入れて煮込む。これはこれで「まずくはない」のだが、それほど積極的に作ろうと思わせるようなものではなかった。それがある日、ガーリックオイルを作る方法を学んで、トマトソースの作り方が全くかわってしまった。それ以来、大好きな食べ物になった。

 

ポイントは、ガーリックオイルである。

トマトソース(だけでなく、ガーリックオイルを必要とするもの)を作る時には、まず、40分以上かけてガーリックオイルを作る。手つきの大鍋を傾けてオリーブオイルをたっぷり入れて熱し、たっぷりのガーリック(ガーリックは潰して入れること)を弱火(それも、ごく弱火)で熱する。20分を過ぎた頃から、少しずつガーリックが変色してくるのだが、弱火なので焦げ過ぎることはない。量にもよるが、色が変色し始めた頃から香りが変化する。いかにも美味しそうな、甘い香りが漂ってくるのだ。それでも、もう少し熱してやると、ガーリックはきれいなきつね色になる。このくらいがちょうど良い。ガーリックオイルを火にかけたら、シャワーを浴びてもよいし、朝のジュースでも飲みながら新聞に目を通しても良い。

トマトソースを作る時には、これ以外に玉葱もベーコンもいらない。後は、トマトを炒めて煮込むだけである。(もちろん、オレガノなどは好みによって使う)

 

ガーリックは、基本的な調味料なんですね。じっくりと作ったガーリックオイルには、ものすごく芳醇なアミノ酸の味が含まれているのだ。これに、玉葱やベーコンは無用だと思う。実際に、ジャストタイミングに茹で上げたパスタをからめると、玉葱やベーコンを入れたトマトソースより、ガーリックだけのトマトソースの方が、小麦の味が豊かに味わえるのだ。

 

こんな話をしていたら、「そっか、ボウイングがしっかりしていれば、ヴィブラートをかけなくてもよい音がするんですね」と言われた。そう、過剰なヴィブラートは、せっかくの美味しいトマトソースを汚してしまう、玉葱やベーコンのようなものかもしれない。

玉葱やベーコンは、とっても美味しい食材だが、使い道が違うのです。

[ 2011/10/09(日) 11:44 ] 音楽的主張| コメント(0)
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