1月中に、アズールの練習に出られないことが二度あり、音大の指揮科の学生さんに指導をお願いしました。事前に私の練習を見学していただいて、方針は理解しておいてもらったのですが、予想以上にきちんと練習ができたようで、安心しました。
アズールと私の関係は、やや特殊なものかもしれません。最初から私の生徒だった人は少ないのですが、アズールに入団した後で私の個人レッスンも受けるようになる人が多く、全体の半分以上が私の生徒、という状態です。他の人たちも、私の練習が面白いと言ってくださるのですが、全体的に、私と個々のメンバーの関係の集合体、という意識があるかもしれません。メンバーの中には、練習を「柏木のアンサンブルレッスン」と捉えている人もいるようです。
普通の(何が普通か、というのも問題ですが)オーケストラであれば、オーケストラのメンバーの関係があり、その全体と指揮者の関係性ができます。アズールの場合は、成り立ちの経緯もあり、そうした「オーケストラと指揮者」の関係が不明瞭だったのです。アズールが、定期的な演奏会を目的としていないために、目標に向かって意思が一致する、というチャンスがないことも、そうした関係性を作る難しさの一因かもしれません。
メンバーは(もちろん、スタートラインが低い、ということもありますが)、上達を続けている人たちがほとんどです。個々の力量があがってくれば、当然、出来ることも増えるでしょうし、要求も厳しくなってくると思いますが、こうしたことを考えるのに、良い経験が出来たのではないかと思います。