これまた過激な題名です(^ ^;; その昔(1994年ごろ)、ある音楽仲間とやりあった時に書いたものにちょっと手を加えました。
◎ 私はレコードを聴かない
私は、ほとんどレコード(今やCDですが)を聴きません。もちろん、何十枚かのCDと恐らく400枚近いレコード、数百本のカセットテープ(もうだめになっているでしょうね)を「所有」していますが。
中高生のころ、私は熱心なリスナーでもありました。毎日、FMファンをチェックして、エアチェックをし、レコード芸術を読んではレコードをあさっていました。そして、「だれそれの演奏はどう」とか、「いつの演奏はどーたら」とか、盛んに議論をしていました。ですが、ある日を境に、そんなことに全く興味がなくなってしまったのです。
レコードを聴かなくなった最大の理由は、楽譜が読めるようになったことです。楽譜を読む、ということがいったいどういう意味なのか、ということがわかりかけてきたのは、つい数年前のことでした。それまでは、「音符」や「記号」を読んでいただけなんですね。
そのことに気がつくと、自分の頭の中で、「理想的な音源を作る」作業ができるようになってきました。幸いにして、音を記憶することに難儀を感じたことはないので、シンフォニー一曲分でも、頭の中で作ってしまえば、いつでも聴くことができるようになったんです。
こんなことを書くと、あまりに傲慢に聞こえるかもしれませんが、「これはいい」「ここがいい」「ここはだめ」という聴き方をするのではなく、自分にとって一番良い(と思われる)音源は、自分で作ることしかできないのです。
私はレコードをほとんど聴かない、と言ったのには、意味があります。どんな演奏でも、一度は耳にしてみたいと思っているから、知らないものに出会ったら聴いてみることはします。でも、それ一度きりですね。印象深いものであればあるほど、自分の中にインプットされてしまうから、レコードを聴く必要がないんです。以前、「春の祭典」を初めから最後までイメージして見せたことがありましたよね。指揮者が曲を暗譜するのとはちと違うかもしれませんが、似たような作業をしているとは思います。
結果の分かっている演奏を、何回も聴いて感動する、ということは、私にはないようです。それを「不幸だ」と言われましたが、私はそうは思っていません。
また、一緒に演奏会を聴きに行きましょうね。私も、演奏会は大好きです。